PR

◆ トワイライト、新版画 ―小林清親から川瀬巴水まで

2026年5月24日まで三菱一号美術館にて開催中。

川瀬巴水もいつかまとめて見たかったのよー。こないだの国芳展もうそうだが、
「そうそう、これこれ!」と思えるエキシビがあってくれてうれしい。
今から言っておくともしかしたら実現するかもしれないから、
わたしは今後田中一村と小村雪岱と小林古径をお願いしたいですよ。
地味だけど。

小林清親にはあまりイメージはなかった。新版画の本を一冊読んだことがあったので、
そこではちょっと読んだ気がするな。わたしは巴水を目当てに行ったので、
小林清親のボリュームが多すぎて少し疲れた。

いや、小林清親も面白かったですよ。
いわゆる浮世絵――広重、北斎、国芳から時代が下がって、ニュース映像替わりの
時事浮世絵。観光ハガキ。観光ポスター。風景。いろいろなものを手掛けた。
純粋な絵画としての浮世絵はあんまり数が多くなかったと思う。ないわけではなかった。
だが一番見たかったのは絵画としての浮世絵だったので、もう少し多い方が良かった。

そして、小林清親がたくさんあったので――最後の巴水までたどり着くまでが遠い。
その手前に何人か並んでいる。

――これがねえ。現地で出展目録がどこにあるか訊いたら、
「サイトからPDFを印刷してください」と言われたので、
なんだよ、ケチくせえなあと気を悪くしたのだが、PDFで見たところ、
まー情報量が多いのよ。

出展目録

これ17ページもあるんですよ!!まあ17ページもあれば印刷して配るのも無理、
と納得しそうになったが、このレイアウトにしたから17ページにもなるんじゃないか!!
読みにくいんや!読みやすさを考えてこうしたんだろうが、全然読みやすくない!

これさー。英語を使いたいのは仕方ない。日本語だけでは多分だめだから。
でも英語を使いたいなら、もう少しレイアウトを考えろと!!(怒)

1ページに10作品程度しか載らないんですよ。文字情報だけなのに。
アナタそれ、目録の意味あります?目録には一覧性が必要なんだ!

特にアナタ、このレイアウトをパソコンで見て確認した?
スクロールでこれを見るのはほんとにめんどくさい!!せめて3行でおさめんかい!
これがスマホだったら、さらにさらに見にくいんだからね!

……と、出展目録に怒髪天を衝いたところで、作品の話に戻りますが、

小林清親が30作弱?
井上安治がだいぶまとまってあった。しかし目録が非常に見にくいので数はわからん。
あ、そうそう、手彩色の写真作品が相当あった。2割?3割?くらいを占めてた気がする。
手彩色も意外に良かったんだけど、ちょっと数の水増し感がなきにしもあらず。
全然要らないわけではないが、これをたくさん見ると、こっちの体力が削られるのよ。
資料としてまとめて見せて欲しかったなあ。

そして今回見出したのが高橋松亭という版画家。
多分どこかで一枚二枚は目にしたと思うが、認識したのは今回が初。
これがなかなか良かった。高橋松亭の作品は一線級に近い作品が来ていたんだと思う。
数は少なかったが。

で、ここらへんで相当に体力を消耗しており、部屋を戻ってベンチに座りしばらく休む。
さて、気合を入れますか。

伊東深水はたっぷり色気がある日本髪美人をあちこちで見ているから……
その目で見ると、新版画の作品はだいぶ粗削り。画業の初期ということですかね?
それでも1、2年のうちに長足の進歩だと感じたけれども。

その後、巴水を見る頃にはやはり疲れがたまっておりました。
そうならないように休んで気合を入れ直して臨んだが、やはり限度はある。

総じて一線級は少なかったかも。初期作品も悪くはないんだけど、
脂がのった作品にある、いささかわざとらしいほどの抒情が初期作品にはないのよ。

巴水といえば、溢るる情感。
それがなければやはり物足りない。

スミソニアンだからといって最上の作品ばかりが揃っているってこともないと思うからさ。
どこかの情熱のある美術館が、これぞ巴水!という作品を集めてまたエキシビをやって
くれたらなと思う。だからといって遠いとわざわざ見に行かないわけだが。
隣県までならなんとか……

心に響く一枚、というものには出会わなかったが、でも巴水、松亭をまとめて見られたのは
良かったと思う。もう少し数を減らして、精鋭にしてくれた方が見やすかっただろう。

そして会場である三菱一号美術館は、ずーっと憧れていた場所なのよ。
一丁倫敦の中心でしょう?昔ここには洋館が並んで、まるで外国に見えた――その頃の
情景を想像する。

だが、建物としての資料館の中身は超不満。せっかく建物が素敵なんだから、
資料館も充実させればいいのに。実物ではなくてデジタルに振り切ったのかと思ったら、
デジタルの方も内容大したことないし。デジタルとアナログと分ける意味がありましたか?
学芸員の方にはあの辺の根本的な作り直しをお願いしたい。

あと残念に感じたのは、三菱一号美術館は外観が素敵なだけで、
展示エリアにはその「洋館であること」の強みはまったくないのね。
それは仕方がないことなのだろうか。内部は単にスペースで、
その建物が経て来た時間の流れの旨味はほとんどなかった。

 

まあでも当然ながら、行って良かったエキシビではありました。
わたしが期待しすぎただけで、水準は優良だったしね。
でも部屋部屋が狭いから、大きなサイズの絵だとちゃんと見れなかろう。
今回は版画で、サイズが小さいものだから良かったのであって。
テーマを選ぶ美術館だと思いました。でも一度は行かなきゃならなかったから、
クリア出来て良かった。

コメント